18、コーヒー考

私の妹は精神科で薬剤師をしているのだが、精神病の入院患者はしょっちゅうコーヒーを飲むのだそうだ。
これは経験者として分かる。
向精神薬のたいていは飲むと眠くなったりだるくなったりするので、頭をサッパリさせるためにコーヒーを飲むのである。
経験者にしか分からないと思うが向精神薬で発生した眠気、だるさをコーヒーで吹っ飛ばす快感はたまらないのだ。脱法ドラッグはやった事がないので想像でしか分からぬが、コーヒーを多量に飲んだ時のバキバキの覚醒感は覚醒剤をキメた時のそれと似ているのではないだろうか。あのだるさが吹っ飛ぶ感覚はクセになる。

しかしそんなコーヒーにも欠点が何個かある。
まずあまりに飲むとうつになる。この症状を精神科医に訴えた時に「まあ、覚醒するからねえ」と述べていた。しかし、現在の私の主治医はこれを全否定する。コーヒー飲んでも目が覚めるだけで何にもならないと言うのだ。いやいやあなたの目の前にコーヒー飲んでうつになってる患者、私がいるじゃない。それでも全否定するのである。私の勝手な思い込みだと主張するのだ。ここで対決するのも不毛だと思って反論しなかったが、乱暴な主張だなあとしみじみ感じたものだ。
田村正和に似たダンディな主治医だからかなあと1人で妄想してたが、ダンディズムとボッキズムは関係ない。いきなりボッキズムなんて知らない単語が出てきて恐縮だが、ボッキズムとはコーヒーを飲んだ時の覚醒感を私が勝手に名付けているだけだ。

コーヒーについてはまだまだ書きたいことがあるが今日はここでやめておく。野島君に書きたいって書こうとしたら、野島クンニ書きたいって出た。私のパソコンがボッキズムの体現者なのか。こんな馬鹿馬鹿しいことはどうでもいい。今日はここまで。さようなら。