14、柔道部物語

中学時代私は柔道部に所属していた。

柔道というとなにやら汗臭く湿っていて、とにかく女の子にモテないというイメージを持つ方も多くいるだろう。
そうである。とにかく女の子にモテない。いやあ、参ったなあという感じである。

放課後部活の時間に柔道場にいると「くさ〜い」と言いながら通り過ぎる女子も少なくなかった。
そんなやつ強姦してしまえっ!と思う諸兄もいるだろう。まあ待て。確かに柔道には寝技というものがある。それを駆使すれば強姦なぞ容易いだろと言いたい気持ちも分かる。しかしそれは極論である。サイコパスの考えである。

柔道部には男にも人気がなかった。部員が少なかったのである。私も含めて3人しかいなかった。これでは団体戦に出れない。
仕方なく個人戦だけに出場するのだが、みんな一、二回戦で敗退する。大会の帰り道に顧問の先生が「でもお前ら頑張ったよ」と励ましてくれて雪見だいふくなどを奢ってくれたりする。
この先生のためにも是非とも勝ちたかったが、帰り道で「ホモじゃなくて」とか保毛尾田保毛男の真似して敗戦を反省してないのである。

汗臭い上に保毛尾田保毛男の真似とか地獄絵図だが、これじゃ女の子にモテないのも当然である。しかし私の中ではいい青春の思い出である。